住宅ローンが残っている家の売却方法の流れ
住宅ローンが残っている家には抵当権がついています。
抵当権がついたままの状態で家の売却はできません。
家の売却と同時に住宅ローンを完済し抵当権を外さなければなりませんので、売却と同時にローンの残債を返却できるか考える必要があります。
住宅ローンが残っている家の売却方法の流れを解説します。
住宅ローンの残債を確認する
住宅ローンの残債がいくらあるのか確認する方法として、住宅ローンの返済予定表を見る、借入金融機関の窓口やWEBサイトで確認するほか、残高証明書や返済予定表で確認します。
家の売却相場を調べる
家がいくらで売却できそうかを調べるために不動産会社に査定を依頼したり、不動産情報サイトなどを利用して近隣で似たような不動産がいくらなのか調べます。
ローン完済が可能かシミュレーションする
家の売却代金で住宅ローンを完済できるのかシミュレーションしてみます。
・アンダーローンの場合(家の売却代金で住宅ローンを完済できる場合)
例えば、住宅ローンの残債が2500万円で家の売却価格が3000万円など、家の売却代金で住宅ローンを全額返済できる場合は問題ないので、不動産会社に依頼して手続きを進めていきます。
・オーバーローンの場合(家を売却しても住宅ローンが残る場合)
住宅ローンの残債が3000万円で家の売却価格が2500万円など、家を売却しても住宅ローンの残債が残ってしまう場合は金融機関に事前に相談する必要があります。
住宅ローンを完済して抵当権を外す必要があるので、オーバーローンの状態で売却を進めることはできません。
家を売却しても住宅ローンが残ってしまう場合
オーバーローンの場合でも売却をあきらめる必要はありません。
オーバーローンの具体的な対処法を紹介します。
◇ほかの資産を売却して返済する
自家用車や有価証券など現金化できる資産を売却してローン返済に充てる方法があります。
家を売却した後も税金の支払いや引越し費用など何かとお金が必要になるので、手元の預貯金はできるだけ残しておきましょう。
◇無担保融資を利用する
自力での返済が難しい場合は差額分をカードローンなどの担保を必要としない無担保融資利用するという方法もあります。
但し、住宅ローンより金利が高いので長期返済には向かず、一時的に少額を借りるのであれば利用を検討してみてください。
◇住み替えローンを利用する
住宅ローンが残っている家を売却する理由が新しい家の購入の場合は、住み替えローンを利用する方法があります。
住宅ローンの残債と新しい家の購入資金をまとめて融資してくれる金融商品です。
住み替えローンは住宅ローンよりも金利が高く、金融機関による審査も厳しくなります。
ローンの残高が増えることになるので返済が可能かどうか検討が必要です。
オーバーローンにならないために住宅ローンが残っている家はできるだけ高く売ることが重要です。
方法としては、2~3社の不動産会社に査定を依頼したうえで、営業力や販売力が優れた不動産会社と媒介契約を締結することをおすすめします。
また、見た目の印象を良くするために、築年数以上の劣化や汚れが目立つ場合はハウスクリーニングを入れるなど、できるだけ綺麗に見せる工夫をしてください。
住宅ローンが残っている家を売却するときの注意点
◇売却した代金で住宅ローンを返済する場合、売却時に諸費用がかかります。
不動産会社に支払う印紙代や仲介手数料、司法書士依頼した場合に支払う報酬、抵当権抹消費用などがかかりますので、ある程度の預貯金は残しておく必要があります。
◇住宅ローンが残っている家を売却して新しい家を購入する場合は、古い家の売却の目処がついてから新しい家を探し始める売り先行の住み替がおすすめです。
ダブルローンや家の維持費の二重負担を避けることができます。
◇住宅ローンが残っている家を売却して譲渡所得が発生した場合、売却金額によっては税金が発生します。
売却した家を自分の住宅として利用していた場合には、3000万円の特別控除が利用できるので忘れず申告手続きをしてください。
〈不動産売却時にかかる税金について参考記事〉