土地売却価格を路線価から求める方法
土地の売却価格は路線価から求めることができます。
路線価は公示価格の約80%程度の水準となるように設定されています。
公示価格は平均して実勢価格の90%程度になっているため求めた土地の評価額を1.1~1.2倍することにより売却価格の目安を知ることができます。
路線価方式および倍率方式で売却価格の目安を求める計算式は以下の通りとなります。
※路線価方式による土地の評価額÷0.8×1.1=売却価格の目安
ただし、公示価格と実勢価格は地域により差異の程度が大きく異なるため、計算で求められるものはあくまで目安にすぎません。
◆国税庁のサイトをひらいて「路線価図・評価倍率表」へアクセスし、調べたい都道府県をクリックします。
[東京都・渋谷区幡ヶ谷]を例に路線価を調べます。
◆東京都をクリックします。
◆いくつか項目が表示されるので「路線価図」をクリックします。
◆調べたい市町村をクリックします。[渋谷区]
◆調べたい地名をクリックします。[幡ヶ谷]
◆路線価を確認します。[幡ヶ谷]が含まれる場所をクリックします。
◆地図に表示されている「520C」や「640C」という英数字が路線価となります。
(数字の後ろに表記されているCなどのアルファベットは、土地の借地権割合を表します。※後記解説)
「520」はその道路に面した土地の1㎡当たりの価額を1000円単位で表しています。
520×1000=520,000円がこの道路に面した土地の路線価となります。
実際の土地の評価額は面積だけでは決まらず、道路からの奥行や土地の形状・条件も関わってきます。
路線価による評価額の計算方法
路線価によって土地の評価額を求める方法を路線価方式といいます。
路線価方式の計算方法を例を挙げて説明します。
◆路線価=1㎡当たりの土地の価額となりますので、路線価に面積を掛け合わせることにより、土地の評価額を求めることができます。
【例】土地面積(地積)250㎡・路線価200Cの道路に接している場合
200×1000(路線価)×250㎡(地積)=50,000,000円(評価額)
実際の土地は、その土地の状況(形状・利用のしやすさ等)により価値が変動するためそれらを計算式に加味するため補正率が用いられます。
補正は下記の条件を加味します。
*土地の奥行の深さ
*間口が狭すぎないか
*土地の形状がいびつであるか
*間口に対して奥行の割合が高すぎないか
*土地の一部ががけ地になっているか
◆土地が複数の道路に面している場合
一面の道路に面している土地よりも利用しやすくなり価値が高まるため、2種類の加算率を用いて価額を上乗せする補正をします。
◆側方路線影響加算率
土地が角地の場合に使用する補正率
◆二方路線影響加算率
土地の正面と背面が道路に接している場合に使用する補正率
◆借地権割合について
路線価には200Cのように数字の後ろにアルファベットがついています。
このアルファベットはその土地の借地権割合を表しています。
借地権とは土地の所有者から土地を借りて建物を建てるなどの権利のことで、その土地における借地の権利の割合を示すものです。
A:90%
B:80%
B:70%
D:60%
E:50%
F:40%
G:30%
自分で所有している土地の場合は数字のみ
・路線価には実際の土地状況や特性が加味されていない
路線価はあくまで道路に面した土地の価格を表した価格であるため土地状況や特性を加味していません。
仮に同じ面積・立地・形の土地が2つあるとしたら両方とも同じ価格となりますが、実際には土地の方角や周辺環境などが異なっていたり需要にも違いがあります。
・実勢価格は土地の広さに比例して高くなるとは限らない
路線価は実勢価格とズレがあります。
正確な土地価格を知りたい場合には、不動産会社へ査定を依頼することをお勧めします。
・正確な実勢価格を求めるには不動産会社へ査定を依頼する
査定を依頼するときは1社のみではなく複数の不動産会社へ依頼しましょう。
査定額は不動産会社によって異なりますが、査定額が高いからといってそれだけで売却を依頼することはおすすめしません。
査定で表示された売却価格の根拠をきちんと説明してもらい、納得した上で信頼できる不動産会社に依頼しましょう。
より明確に土地売却路線価を知るためには
路線価によっておおまかな相場を知ることはできますが、実際に売却する場合にはより細かな条件が価格に関わるため、土地の価格についてより明確に知りたい場合は、1度に複数の不動産会社に依頼することができる、不動産会社の一括査定サービスの利用をおすすめします。