固定資産税の負担が続く
行方不明者がいる不動産でも、固定資産税は毎年必ず課税されます。
不動産を所有している限り、共有者の一人が行方不明であっても、固定資産税の納税義務は消滅しません。通常、共有者全員が連帯して納税義務を負うため、他の共有者が全額を立て替えて支払うケースがほとんどです。
軽井沢エリアの固定資産税相場
軽井沢の別荘地の場合、土地と建物を合わせた固定資産税は年間15万円〜50万円程度かかることが一般的です。人気エリアや広い土地の場合は、さらに高額になることもあります。
10年放置した場合の累積額
仮に年間30万円の固定資産税がかかる不動産の場合、10年間で300万円もの負担となります。行方不明者を探す間、あるいは法的手続きを先延ばしにしている間も、この負担は確実に積み重なっていきます。
さらに、固定資産税を滞納すると延滞金が発生し、最悪の場合は不動産が差し押さえられるリスクもあります。行方不明者がいるからといって、納税義務が免除されることはないのです。
不動産の老朽化と資産価値低下
行方不明者がいることで売却できず、管理されない不動産は急速に老朽化します。
管理されない不動産の問題点
定期的な換気や清掃が行われない建物は、カビや湿気による劣化が進みます。軽井沢のような寒冷地では、冬季の凍結による水道管の破裂、雨漏りの放置による構造部分の腐食など、深刻なダメージが発生しやすくなります。
別荘の場合、1年以上人が住まない状態が続くと、害虫や害獣が侵入し、内部を荒らされることも少なくありません。雑草が伸び放題になり、外観も著しく悪化します。
倒壊リスクと損害賠償責任
築年数が古い建物を長期間放置すると、倒壊の危険性が高まります。もし建物が倒壊し、隣地や通行人に被害を与えた場合、所有者は損害賠償責任を負います。
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、管理不全の空き家は「特定空家」に指定され、固定資産税の優遇措置が解除されることもあります。その場合、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。
資産価値の低下
放置された不動産は、管理費用がかかる上に資産価値も大幅に下落します。本来であれば2,000万円で売却できた物件が、老朽化により1,000万円以下にしか売れなくなるケースも珍しくありません。
相続が複雑化するリスク
行方不明の問題を先延ばしにすると、相続が世代を重ねるごとに複雑化します。
相続人が増える仕組み
例えば、父親が亡くなり、相続人が子ども3人(長男・次男・長女)だったとします。このうち次男が行方不明で、不動産の売却ができないまま時間が経過したとします。
その後、長男が亡くなると、長男の配偶者と子どもたちが新たな相続人として加わります。さらに長女が亡くなれば、長女の配偶者と子どもたちも相続人になります。
このように、世代を重ねるごとに相続人の数は幾何級数的に増えていきます。
実例: 3世代後に100人超の相続人
ナルロワンが過去に扱った事例では、約60年前に亡くなった祖父名義の土地が、3世代を経て相続人が120人以上に膨れ上がっていたケースがありました。
この場合、不動産を売却するには原則として全員の同意が必要になります。120人全員の所在を確認し、連絡を取り、売却に同意してもらうのは事実上不可能に近い作業です。
相続登記の義務化
2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科されます。行方不明者がいることで相続登記ができない場合でも、この義務は免除されません。
早期に法的手続きを進めることが、複雑化を防ぐ唯一の方法です。
行方不明者の不動産を売却する2つの方法

行方不明者がいる不動産を売却するには、大きく分けて2つの法的手続きがあります。それぞれの特徴と流れを詳しく見ていきましょう。
方法1: 失踪宣告による売却
失踪宣告とは
失踪宣告とは、長期間行方不明の人を法律上「死亡したもの」とみなす制度です。家庭裁判所に申し立てを行い、一定の手続きを経て宣告が確定すると、行方不明者は死亡したものとして扱われ、相続が開始します。
普通失踪と特別失踪の違い
失踪宣告には2種類あります。
普通失踪
- 条件: 7年以上生死不明の場合
- 死亡時期: 7年間の期間満了時に死亡したものとみなされる
- 適用例: 家出、音信不通など一般的な行方不明
特別失踪
- 条件: 戦争、船舶の沈没、震災などの危難に遭遇し、その後1年以上生死不明の場合
- 死亡時期: 危難が去った時に死亡したものとみなされる
- 適用例: 災害による行方不明
不動産売却の場合、通常は「普通失踪」が適用されます。
失踪宣告の手続きフロー
1. 家庭裁判所への申し立て
行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。申立人は、配偶者、相続人、財産管理人などの利害関係人に限られます。
2. 官報公告(3ヶ月間)
裁判所は、行方不明者や情報を持っている人に申し出るよう、官報に公告します。公告期間は3ヶ月間です。
3. 審判
公告期間中に行方不明者が現れず、生存の証拠も出なければ、裁判所が失踪宣告の審判を下します。
4. 審判確定
審判に対して不服申し立てがなければ、2週間後に審判が確定します。
5. 死亡とみなされる
失踪宣告が確定すると、行方不明者は7年間の期間満了時に死亡したものとみなされます。
6. 相続登記
行方不明者を被相続人とする相続登記を行います。他の相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産の名義を変更します。
7. 売却可能
相続登記が完了すれば、通常通り不動産を売却できます。
必要書類リスト
- 失踪宣告申立書
- 行方不明者の戸籍謄本(出生から現在まで)
- 行方不明者の戸籍附票
- 申立人の戸籍謄本
- 失踪を証明する資料(警察への捜索願受理証明書、最後の連絡記録など)
- 利害関係を証明する書類
費用
- 申立費用: 800円(収入印紙)
- 官報公告料: 約4,000円
- 戸籍謄本等の取得費: 数千円
- 弁護士・司法書士に依頼する場合: 20〜30万円
期間
申し立てから失踪宣告確定まで、約6ヶ月〜1年程度かかります。
メリット
- 費用が安い(自分で手続きすれば1万円以下)
- 一度宣告されれば、他の相続人と同様に手続きできる
- 行方不明者が複数の財産を持つ場合、全ての財産について相続手続きが可能
デメリット
- 7年以上行方不明でないと使えない
- 手続きに6ヶ月〜1年かかる
- 行方不明者が後で現れた場合、失踪宣告が取り消される可能性がある
方法2: 不在者財産管理人による売却
不在者財産管理人制度とは
不在者財産管理人とは、行方不明者(不在者)の財産を管理・保存するために、家庭裁判所が選任する人のことです。弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることがほとんどです。
この制度を利用すれば、7年を待たずに不動産の売却手続きを進めることができます。
選任の要件
- 従来の住所または居所を去り、容易に戻る見込みがない
- 財産管理の必要性がある
- 利害関係人(相続人、共有者など)からの申し立て
行方不明の期間に制限はありません。数ヶ月でも、管理の必要性が認められれば選任されます。
不在者財産管理人による売却の手続きフロー
1. 家庭裁判所への申し立て
行方不明者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、不在者財産管理人選任の申し立てを行います。
2. 管理人の選任
裁判所が適任者を選任します。通常は弁護士や司法書士が選ばれます。申立人が管理人になることは原則としてできません。
3. 予納金の納付
管理人の報酬や費用に充てるため、申立人は予納金を裁判所に納めます。金額は不動産の価値や管理期間によって異なりますが、数十万円〜100万円程度です。
4. 財産目録の作成
管理人は、行方不明者の財産を調査し、財産目録を作成して裁判所に提出します。
5. 権限外行為許可の申請
不動産の売却は、通常の管理・保存行為を超える「権限外行為」にあたるため、管理人は裁判所に「権限外行為許可」を申請する必要があります。
6. 裁判所の許可
裁判所は、売却の必要性、売却価格の妥当性などを審査し、許可を出します。
7. 不動産の売却
裁判所の許可が下りれば、管理人が売主として不動産を売却します。
8. 売却代金の管理
売却代金は、管理人が行方不明者のために保管・管理します。行方不明者が現れたときに返還します。
必要書類リスト
- 不在者財産管理人選任申立書
- 行方不明者の戸籍謄本(出生から現在まで)
- 行方不明者の戸籍附票
- 財産目録
- 不在者の財産に関する資料(登記簿謄本、固定資産評価証明書など)
- 不在を証明する資料
- 申立人の利害関係を証する資料
費用
- 申立費用: 800円(収入印紙)
- 予納金: 30万円〜100万円(不動産の価値による)
- 管理人への報酬: 月額2〜5万円
- 戸籍謄本等の取得費: 数千円
- 弁護士・司法書士に依頼する場合: 30〜50万円
期間
申し立てから管理人選任まで約1〜2ヶ月、権限外行為許可まで約1〜2ヶ月、合計3〜6ヶ月程度です。失踪宣告よりも短期間で売却できます。
メリット
- 7年を待たずに手続きできる
- 期間が短い(3〜6ヶ月)
- 専門家が手続きを進めてくれる
デメリット
- 予納金が高額(数十万円〜100万円)
- 管理人への報酬が継続的に発生
- 売却代金は行方不明者のために保管され、他の相続人が自由に使えない
- 不動産以外の財産管理にも費用がかかる
2つの方法の比較表
どちらの方法を選ぶかは、行方不明の期間、費用、急ぎ度などによって判断します。専門家に相談して最適な方法を選びましょう。
不在者財産管理人による売却の詳細手順

実務上、7年を待てないケースでは不在者財産管理人を活用することが多いため、ここではより詳しい手順を解説します。
ステップ1: 申し立ての準備
必要書類の詳細
不在者財産管理人選任の申し立てには、以下の書類が必要です。
基本書類
- 不在者財産管理人選任申立書(裁判所の書式)
- 申立人の戸籍謄本
- 不在者(行方不明者)の戸籍謄本(出生から現在まで)
- 不在者の戸籍附票
- 財産目録(不動産、預貯金、負債など全ての財産をリスト化)
不動産関連書類
- 不動産登記簿謄本(全部事項証明書)
- 固定資産評価証明書
- 不動産の写真
- 公図・測量図(ある場合)
不在を証明する資料
- 警察への捜索願の受理証明書
- 最後の連絡記録(手紙、メール、通話記録など)
- 親族や知人の陳述書
- 住民票の除票(転出先不明の記載があるもの)
利害関係を証する資料
- 共有者であることを証明する登記簿謄本
- 相続関係図
申立書の書き方のポイント
申立書には、以下の事項を明確に記載します。
- 不在者の氏名、生年月日、最後の住所
- いつからどのような状況で行方不明になったか
- 不在者の財産の内容(特に不動産の詳細)
- 財産管理人選任の必要性(不動産の売却、固定資産税の負担など)
- 申立人と不在者の関係
特に重要なのは「財産管理の必要性」です。単に「売却したい」だけでなく、「固定資産税の負担が大きい」「老朽化が進んでいる」「共有者全員が売却に同意している」など、具体的な理由を記載しましょう。
ステップ2: 家庭裁判所への申し立て
管轄裁判所の確認
申し立ては、不在者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
例えば、不在者が最後に軽井沢町に住んでいた場合、長野家庭裁判所佐久支部が管轄となります。
申立費用の納付
- 収入印紙: 800円
- 連絡用の郵便切手: 数千円分(裁判所によって異なる)
裁判所での面談
申し立て後、裁判所から呼び出しがあり、裁判官または書記官との面談が行われます。
面談で聞かれること
- 不在者の行方不明になった経緯
- 探索の状況(どのような方法で探したか)
- 財産の内容と管理状況
- 売却の必要性と理由
- 売却価格の見込み
- 予納金の準備状況
面談は事実確認が中心ですが、虚偽の申告をすると申し立てが却下されるため、正直に答えましょう。
ステップ3: 管理人の選任と予納金
管理人に選ばれるのは誰か
不在者財産管理人には、通常、弁護士または司法書士が選任されます。申立人の希望を伝えることはできますが、最終的に誰を選任するかは裁判所が決定します。
利害関係のある申立人自身が管理人になることは、原則としてできません。
予納金の金額と算定基準
予納金の金額は、以下の要素を考慮して裁判所が決定します。
- 不動産の価値(高額なほど予納金も高くなる)
- 管理期間の見込み(売却まで何ヶ月かかるか)
- 管理人の報酬の見込み額
目安としては以下の通りです。
- 不動産価値1,000万円以下: 30〜50万円
- 不動産価値1,000万円〜3,000万円: 50〜80万円
- 不動産価値3,000万円以上: 80〜100万円以上
予納金は、管理人の報酬や経費に充てられ、余った分は申立人に返還されます。
管理人の役割
選任された管理人は、以下の業務を行います。
- 不在者の財産調査と財産目録の作成
- 財産の管理・保存(不動産の維持管理、固定資産税の支払いなど)
- 売却に向けた準備(不動産会社との交渉、買主の選定など)
- 裁判所への定期報告
ステップ4: 権限外行為許可申請
権限外行為とは
不在者財産管理人の通常の権限は、財産の「管理・保存」に限られます。不動産の売却は「処分行為」にあたり、管理人の通常の権限を超えるため、裁判所の許可が必要です。
これを「権限外行為許可」といいます。
許可申請のタイミング
管理人が選任され、財産目録の作成が完了した後、売却先の買主が決まった段階で申請します。
申請書類
- 権限外行為許可申立書
- 売買契約書の案(買主、売却価格、条件などが記載されたもの)
- 不動産の査定書(不動産会社による査定額)
- 売却の必要性を説明する書類
許可が下りる条件
裁判所は以下の点を審査します。
売却の必要性
- 固定資産税の負担が大きい
- 不動産が老朽化している
- 共有者全員が売却を希望している
- 管理費用がかさんでいる
売却価格の妥当性
- 複数の不動産会社の査定を取得
- 市場価格と比較して著しく低くない
- 不当に安い価格での売却は許可されない
買主の信用性
- 確実に売買代金を支払える買主か
- 反社会的勢力との関係がないか
これらの条件を満たせば、裁判所は許可を出します。
審査期間
権限外行為許可の審査には、通常1〜2ヶ月程度かかります。
ステップ5: 不動産の売却
不動産会社の選定
管理人は、適切な不動産会社を選定して売却活動を依頼します。
軽井沢エリアの場合、地域に精通した不動産会社を選ぶことが重要です。ナルロワンのような地元で長年実績のある会社に相談すると、スムーズに進むでしょう。
売却価格の決定
管理人は、複数の不動産会社から査定を取り、適正価格を見極めます。裁判所は「不在者の利益を守る」という観点から、著しく低い価格での売却は認めません。
そのため、早く売りたいからといって相場よりかなり安い価格で売ることはできません。市場価格の80〜90%程度が目安となります。
売買契約の締結
裁判所の許可が下りたら、管理人が売主として売買契約を締結します。
契約書には「売主: 不在者○○○○ 法定代理人 不在者財産管理人 弁護士△△△△」と記載されます。
決済と所有権移転
売買代金の決済と同時に、所有権移転登記を行います。登記の際も、管理人が不在者の代理人として手続きします。
売却代金の管理
売却代金は、不在者財産管理人が行方不明者のために保管・管理します。
代金の使途は以下の通りです。
- 固定資産税など不在者の債務の支払い
- 管理人への報酬の支払い
- 予納金の返還(余剰があれば)
- 残額は行方不明者のために供託または信託
重要なポイント: 売却代金を他の相続人が自由に使うことはできません。あくまで行方不明者の財産として保管されます。
行方不明者の不動産売却にかかる費用の全て
費用の全体像を把握することで、計画的に手続きを進められます。ここでは、失踪宣告と不在者財産管理人それぞれの費用を詳しく見ていきましょう。
失踪宣告の費用内訳
失踪宣告は比較的費用を抑えられる方法です。
実費
- 申立費用(収入印紙): 800円
- 官報公告料: 約4,000円
- 戸籍謄本・附票の取得費: 1通450円×必要通数(5〜10通程度) = 2,250円〜4,500円
- 郵便切手: 数千円
- 合計: 約1万円〜1.5万円
専門家への依頼費用(任意)
自分で手続きすることも可能ですが、専門家に依頼する場合の費用は以下の通りです。
- 弁護士に依頼: 20〜30万円
- 司法書士に依頼: 15〜25万円
相続登記の費用
失踪宣告が確定した後、相続登記が必要になります。
- 登録免許税: 不動産評価額の0.4%
- 司法書士への報酬: 5〜15万円
例: 評価額2,000万円の不動産の場合
- 登録免許税: 2,000万円×0.4% = 8万円
- 司法書士報酬: 10万円
- 合計: 18万円
失踪宣告の総費用
自分で手続き: 約20万円〜35万円
専門家に依頼: 約40万円〜70万円
不在者財産管理人の費用内訳
不在者財産管理人の方が、費用は高額になります。
実費
- 申立費用(収入印紙): 800円
- 郵便切手: 数千円
- 戸籍謄本・附票の取得費: 約5,000円
- 合計: 約1万円
予納金
予納金が最も大きな費用です。
- 不動産価値1,000万円以下: 30〜50万円
- 不動産価値1,000万円〜3,000万円: 50〜80万円
- 不動産価値3,000万円以上: 80〜100万円以上
予納金は、管理人の報酬や経費に充てられ、余剰分は返還されますが、返還額は売却までの期間や管理の手間によって変動します。
管理人への報酬
管理人への報酬は、予納金から支払われます。
- 月額: 2〜5万円
- 売却完了時の成功報酬: 売却価格の1〜3%程度
例: 売却価格2,000万円、売却まで6ヶ月かかった場合
- 月額報酬: 3万円×6ヶ月 = 18万円
- 成功報酬: 2,000万円×2% = 40万円
- 合計: 58万円
権限外行為許可申請の費用
- 申立費用(収入印紙): 800円
- 郵便切手: 数千円
専門家への依頼費用(任意)
申立書の作成や手続きを専門家に依頼する場合:
- 弁護士: 30〜50万円
- 司法書士: 20〜40万円
不在者財産管理人の総費用の例
不動産価値2,000万円、売却まで6ヶ月、予納金70万円のケース:
- 申立費用等の実費: 約1万円
- 予納金: 70万円
- 管理人報酬: 約60万円(予納金から支払い)
- 専門家への依頼(司法書士): 30万円
- 合計: 約100万円
ただし、予納金の一部(10〜20万円程度)が返還される可能性があります。
その他の費用
どちらの方法でも、以下の費用が別途かかります。
不動産仲介手数料
売却時に不動産会社に支払う手数料です。
- 計算式: (売却価格×3% + 6万円)+ 消費税
例: 売却価格2,000万円の場合
- (2,000万円×3% + 6万円)×1.1 = 72.6万円
測量費用(必要な場合)
境界が不明確な場合、測量が必要になることがあります。
- 費用: 50〜100万円(土地の広さや形状による)
建物解体費用(必要な場合)
古い建物を解体して更地で売却する場合:
- 費用: 100〜300万円(建物の規模による)
その他の登記費用
- 抵当権抹消登記: 1〜3万円(抵当権がある場合)
- 住所変更登記: 1〜2万円(登記上の住所が異なる場合)
費用比較のまとめ

費用だけ見ると失踪宣告の方が安いですが、期間が長いため、その間の固定資産税や維持費も考慮する必要があります。
行方不明者の不動産売却でよくあるトラブル

実際に手続きを進める中で、どのようなトラブルが起こり得るのか、回避策とともに見ていきましょう。
トラブル1: 予納金が返還されない
不在者財産管理人制度を利用する際、多くの方が期待するのが「予納金の返還」ですが、思ったより返ってこないケースがあります。
予納金の使途
予納金は以下の用途に使われます。
- 管理人への月額報酬
- 管理人への成功報酬
- 不動産の維持管理費用(固定資産税、修繕費など)
- 登記費用などの実費
返還される条件
予納金が返還されるのは、これらの費用を支払った後に余剰がある場合のみです。
返還されにくいケース
- 売却までに時間がかかった(管理人の月額報酬が増える)
- 不動産の維持管理に予想外の費用がかかった
- 成功報酬の割合が高かった
- 予納金の金額が少なめに設定されていた
実例
Aさんは予納金70万円を納めましたが、売却まで1年かかり、管理人への月額報酬(月3万円×12ヶ月=36万円)と成功報酬(30万円)で66万円が使われ、返還額は4万円のみでした。
回避策
✔️ 事前に管理人の報酬体系を確認する
裁判所に、管理人の報酬がどのように決まるか確認しましょう。
✔️ 早期売却を目指す
売却期間が長引くほど月額報酬がかさむため、管理人と協力して早期売却を目指します。
✔️ 予納金は返ってこない前提で計画する
予納金の大部分は返ってこないものと考え、資金計画を立てましょう。
トラブル2: 売却価格が低くなる
不在者財産管理人による売却では、期待したほど高値で売れないことがあります。
管理人は高値売却を目指さない
不在者財産管理人の使命は「不在者の財産を守ること」であり、「高値で売却すること」ではありません。
そのため、管理人は以下のような判断をします。
- 早期売却を優先する(長期化すると管理費用がかさむため)
- 確実性を重視する(買主の支払い能力が確実な相手を選ぶ)
- トラブル回避を優先する(複雑な条件交渉を避ける)
裁判所が適正価格を重視
裁判所は「市場価格の80〜90%程度」であれば許可を出します。つまり、仲介で売却すれば2,000万円で売れる物件でも、1,600万円〜1,800万円で売却されることがあります。
実例
Bさんの軽井沢の別荘は、複数の不動産会社の査定で2,200万円〜2,500万円でしたが、管理人は「早期売却を優先」として1,900万円で売却しました。他の相続人は「もっと高く売れたはず」と不満を感じましたが、管理人の判断は適法なため覆すことはできませんでした。
対策方法
✔️ 申立前に査定を取っておく
複数の不動産会社から査定を取り、適正価格を把握しておきましょう。
✔️ 管理人に査定書を提出する
「この価格なら売れる」という根拠を管理人に示すことで、安易な値下げを防げます。
✔️ 地域に強い不動産会社を紹介する
軽井沢エリアに強いナルロワンのような不動産会社を管理人に紹介することで、適正価格での売却をサポートできます。
トラブル3: 行方不明者が突然現れる
手続きを進めている最中、または売却後に行方不明者が現れるケースがあります。
失踪宣告の取り消し
失踪宣告後に行方不明者が生存していることが判明した場合、失踪宣告は取り消されます。
取り消しの効果
- 失踪宣告は遡って無効になる
- 相続は発生しなかったことになる
- ただし、善意の第三者(買主)は保護される
つまり、不動産の売却自体は有効ですが、売却代金は行方不明者に返還する必要があります。
不在者財産管理人の場合
不在者財産管理人による売却後に行方不明者が現れた場合:
- 売却は有効
- 売却代金は行方不明者に返還される(もともと管理人が保管しているため問題なし)
実例
Cさんは父親が7年間行方不明だったため失踪宣告を申し立て、実家を1,500万円で売却しました。ところが売却から3年後、父親が海外で生活していたことが判明。失踪宣告は取り消され、Cさんは1,500万円を父親に返還しました。
対応方法
✔️ 失踪宣告の場合はリスクを理解する
失踪宣告には取り消しのリスクがあることを理解し、売却代金をすぐに使い切らず一定期間保管しておくことをお勧めします。
✔️ 不在者財産管理人の方が安全
不在者財産管理人の場合、売却代金はもともと行方不明者のために保管されるため、後で現れても問題ありません。
✔️ 探索を尽くす
申立前に、可能な限りの探索を行いましょう。SNSでの検索、知人への聞き込み、住民票の追跡など、手を尽くすことでリスクを減らせます。
トラブル4: 他の共有者との意見対立
行方不明者以外の共有者全員の同意が得られず、手続きが進まないケースがあります。
よくある対立のパターン
「売却したい派」と「売却したくない派」
- 売却したい派: 固定資産税の負担から解放されたい、現金化したい
- 売却したくない派: 思い出の家を手放したくない、将来使うかもしれない
「不在者財産管理人を使いたい派」と「待ちたい派」
- 使いたい派: 早く売却したい
- 待ちたい派: 予納金がもったいない、7年待って失踪宣告を使いたい
対応方法
✔️ 共有者全員で話し合う
感情的にならず、数字やデータを示しながら冷静に話し合いましょう。
✔️ 専門家に間に入ってもらう
弁護士や不動産会社に間に入ってもらい、中立的な意見をもらうことで合意しやすくなります。
✔️ 共有物分割請求を検討
どうしても合意できない場合、共有物分割請求という法的手続きで強制的に売却することも可能です(ただし訴訟になるため時間と費用がかかります)。
トラブル5: 手続きの複雑さで挫折
法的手続きの複雑さに圧倒され、途中で諦めてしまう方もいます。
挫折しやすいポイント
- 戸籍謄本の収集(本籍地が遠方の場合)
- 書類の書き方が分からない
- 裁判所とのやり取りが難しい
- 何度も裁判所に行かなければならない
対応方法
✔️ 最初から専門家に依頼する
費用はかかりますが、弁護士や司法書士に依頼すれば手続きの大部分を代行してもらえます。
✔️ 不動産会社に相談する
ナルロワンのような実績のある不動産会社に相談すれば、提携している弁護士や司法書士を紹介してもらえます。
✔️ 段階的に進める
一度にすべてやろうとせず、「まずは戸籍を集める」「次に申立書を書く」など段階的に進めましょう。
ナルロワンの行方不明者不動産売却サポート


株式会社ナルロワンでは、軽井沢エリアで40年以上の実績を活かし、行方不明者がいる不動産の売却を全面的にサポートしています。
軽井沢エリアでの豊富な実績
ナルロワンは、軽井沢で40年以上不動産事業を営んでおり、相続や共有名義の複雑な案件を数多く扱ってきました。
特に別荘地では、所有者が高齢化し、相続人の一部が行方不明になるケースが少なくありません。ナルロワンは、そのような困難な案件でも、適切な法的手続きと地域ネットワークを活用して解決してきました。
実績の一例
- 3世代にわたり相続されなかった別荘の売却サポート
- 共有者7人のうち2人が行方不明だった物件の不在者財産管理人選任サポート
- 海外在住の相続人との調整を含む複雑な相続案件の解決
弁護士・司法書士との強固な連携
行方不明者がいる不動産の売却には、法律の専門知識が不可欠です。
ナルロワンは、相続・不動産に強い弁護士・司法書士と連携しており、複雑な案件でもワンストップでサポートできます。
連携によるメリット
✔️ 初回相談から売却完了まで一貫してサポート
お客様が複数の専門家を探して回る必要がありません。
✔️ 費用の透明性
提携専門家による費用見積もりを事前に提示します。
✔️ 手続きのスピードアップ
不動産会社と専門家が連携することで、手続きがスムーズに進みます。
✔️ 地域に精通した専門家
軽井沢エリアの不動産に詳しい専門家が対応するため、地域特有の問題にも対処できます。
不在者財産管理人選任サポート
不在者財産管理人制度を利用する場合、ナルロワンがサポートできる内容:
申立前のサポート
- 不動産の査定
- 売却見込み価格の算定
- 必要書類の収集アドバイス
- 提携司法書士による申立書作成
選任後のサポート
- 管理人への不動産情報の提供
- 買主の募集と紹介
- 売却価格の交渉サポート
- 権限外行為許可申請のための資料作成
売却活動のサポート
- 物件の魅力を最大限に引き出す販売活動
- 軽井沢エリアの購入希望者ネットワークの活用
- 適正価格での売却実現
適正価格での売却実績
ナルロワンは、地域密着型の不動産会社として、軽井沢エリアの市場動向を熟知しています。
不在者財産管理人による売却の場合でも、管理人に対して適切な査定資料を提供し、適正価格での売却をサポートします。
安易な値下げをせず、物件の価値を正当に評価してもらうことで、売却後の納得感が高まります。
無料相談受付中
ナルロワンでは、行方不明者がいる不動産に関する無料相談を随時受け付けています。
無料相談でできること
✔️ あなたのケースに最適な方法のアドバイス
失踪宣告と不在者財産管理人、どちらが適しているか診断します。
✔️ 費用と期間の見積もり
手続きにかかる費用と期間の目安をお伝えします。
✔️ 不動産の査定
現在の不動産の市場価格を査定します。
✔️ 専門家の紹介
必要に応じて、提携弁護士・司法書士をご紹介します。
✔️ 今後の進め方のロードマップ作成
具体的な手順を分かりやすく説明します。
相談方法
- 電話相談
- メール相談
- 対面相談(軽井沢の事務所にて)
- オンライン相談(ZoomやTeamsなど)
遠方にお住まいの方でも、オンラインで相談できます。
お問い合わせはこちら
株式会社ナルロワン
- ウェブサイト: //www.narurowan-baikyaku.jp/
- お問い合わせフォーム: //www.narurowan-baikyaku.jp/contact/
まずはお気軽にご相談ください。40年の実績を持つナルロワンが、あなたの不動産売却を全力でサポートします。
軽井沢の暮らしを、もっとあなたらしく。
ナルロワンでは、宿泊施設「森泊」での短期滞在体験から、高品質な賃貸物件のご紹介、さらには理想の不動産購入まで、軽井沢での暮らしをトータルでサポートしています。
また、これから宿泊施設オーナーを目指す方に向けて、「森泊」を実際に体験できるサービス
「ナルハク」もご用意しております。
"住まう"を体感しながら、自分に合った軽井沢ライフをじっくり見つけていただけます。
お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、理想の選択へと導くパートナーとして、心を込めてお手伝いさせていただきます。
軽井沢での暮らしに関するご相談は、どうぞお気軽にご連絡ください。
▼詳しくは下記のサイト(画像をクリック)からお問い合わせいただけます▼
まとめ:行方不明者の不動産も売却可能
相続人や共有者が行方不明でも、適切な法的手続きを踏めば不動産を売却することは可能です。
2つの方法の再確認
失踪宣告
- 7年以上行方不明の場合に利用
- 費用が安い(自分で手続きすれば数万円)
- 期間は6ヶ月〜1年
- 売却代金を相続人が取得できる
- 後で行方不明者が現れた場合のリスクあり
不在者財産管理人
- 行方不明の期間を問わず利用可能
- 費用が高い(予納金含め100万円前後)
- 期間は3〜6ヶ月と短い
- 売却代金は行方不明者のために保管される
- 専門家が手続きを進めてくれる
状況別おすすめ方法
すでに7年以上経過していて、費用を抑えたい場合
→ 失踪宣告
早急に売却したい、または7年未満の場合
→ 不在者財産管理人
資金に余裕があり、確実性を重視する場合
→ 不在者財産管理人
売却代金を相続人で分けたい場合
→ 失踪宣告
早期対応の重要性
行方不明の問題を先延ばしにすると、以下のリスクが高まります。
- 固定資産税の累積
- 不動産の老朽化と資産価値の低下
- 相続人の増加による手続きの複雑化
- 特定空家指定による固定資産税の増額
「どうせ売れない」と諦めず、早めに専門家に相談することが、損失を最小限に抑える鍵です。
ナルロワンへのご相談を
株式会社ナルロワンは、軽井沢エリアで40年以上の実績を持ち、相続・共有名義・行方不明者がいる不動産など、複雑な案件を数多く解決してきました。
弁護士・司法書士との強固な連携により、法的手続きから売却活動まで、ワンストップでサポートします。
無料相談受付中ですので、まずはお気軽にご連絡ください。
あなたの不動産の悩みを、ナルロワンが一緒に解決します。