2022-10-11
インスペクションという言葉をご存じですか?
インスペクションとは、専門家による既存住宅の状況調査のことです。
では、不動産売却前にインスペクションを実施すると、売主にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
そこで今回は、インスペクションとはどのようなものなのかについて解説しつつ、実施するメリットや必要な費用についてもご紹介します。
軽井沢エリアで不動産売却を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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目次
日本ではまだそれほど認知されていない「インスペクション」ですが、不動産売却をスムーズにする方法の一つとして少しずつ注目され始めています。
民間企業では、かねてから「住宅診断」「ホームインスペクション」といった名称で提供されているサービスです。
ここでは、国が定めた宅地建物取引業法によって規定された「インスペクション」について解説していきます。
インスペクションとは、直訳すると「検査」や「調査」といった言葉になり、不動産用語としては既存住宅の建物状況調査のことを指します。
調査を実施するのは、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士です。
国が定めた既存住宅状況調査方法基準に従って調査が進められます。
インスペクションの実施は売主に義務付けられているものではありませんが、2018年からは改正宅地建物取引業法によってインスペクションに関する買主への「説明」が義務化されました。
ここでいう説明とは、「インスペクションを実施しているかどうか」「実施している場合はその結果」についての内容を求めるものです。
インスペクションの調査対象となる不動産は、既存住宅のみです。
対象の既存住宅については次のように定義されています。
店舗や事務所として利用されていた不動産はインスペクションの対象外です。
ただし、住宅の一部が店舗になっている場合などは、住宅部分のみがインスペクションの調査対象となります。
インスペクションで調査されるのは、大きく分類すると「構造耐力において主要な部分」と「雨水の侵入に関わる部分」です。
具体的には、耐久性に関わる基礎や土台、柱、床、梁、壁といった部分や、水漏れの可能性がある屋根、外壁、内壁、サッシ、天井などを調査します。
また、給水管や排水管、換気ダクト、雨どい、フェンスも調査対象です。
基本的には、「目視で確認できるすべての範囲」を調査します。
調査は原則として目視や簡単な計測機器を使用しておこなわれるため、床下や屋根などについても目視できる範囲のみが調査対象です。
床下や屋根裏への進入調査を希望する場合はオプションでの依頼が必要だと考えておきましょう。
不動産の売却に向けてインスペクションを実施するのであれば、媒介契約のあとのタイミングがおすすめです。
不動産会社と媒介契約を締結する際には、不動産会社からインスペクションに関する説明があります。
その際、インスペクションをしたい旨を伝えて、インスペクション業者の紹介を受けましょう。
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不動産売却の際にインスペクションをすると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
中古不動産を売却する際には、不動産の劣化具合などが不明瞭のままになっていると、買主からの信頼を得られません。
不動産の状態を把握できるインスペクションを実施しておくと、買主に安心感を与えることができます。
買主から敬遠される要素を減らすことができるので、結果としてスピーディーな売却へとつながる可能性が高まるでしょう。
インスペクションでは、現時点での不動産の状態を知ることができます。
結果次第では、築年数から受けるイメージよりも良い状態であることが証明でき、市場価格より高額での売却が期待できるかもしれません。
もし不具合が見つかった場合も、「修繕してから売却」「少しだけ価格を下げる」など、きちんと対処を検討してから売却を進めることができます。
中古不動産の売買では、売却後に買主とトラブルになることがあります。
売主側も把握できていなかった不具合などが、売却後に見つかってしまうことがあるからです。
もし売却後に雨漏りやシロアリ被害といった不具合が発覚した場合、損害賠償の請求もしくは契約解除にまでトラブルが発展してしまう恐れがあります。
そういった不具合箇所を事前に把握できる点が、インスペクションの大きなメリットの一つだといえるでしょう。
インスペクションの実施には、およそ2週間ほどの期間がかかります。
内訳としては、依頼してからインスペクションの実施までに1週間、インスペクション当日から報告書の提出までに1週間ほどです。
そのため、すぐにでも売却を進めたいという方にとっては、デメリットに感じられるかもしれません。
インスペクションの実施によって不動産の価値を上げられる場合もあれば、逆に値引きにつながる結果になることもあります。
しかし、これは不動産の価値を正しく評価した結果であるため、一概にデメリットとは言いきれません。
先ほどお伝えしたように、売却後に不具合が見つかるとトラブルに発展するリスクもあります。
大幅な値引きを提案される前に、あらかじめ不具合箇所を修繕しておくという選択肢も検討しましょう。
インスペクションは業者に依頼することになるため、当然ながら費用が発生します。
これから売却する不動産にはなるべくお金をかけたくないという方もいるかもしれません。
インスペクションに必要な費用の相場については、次項で解説します。
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不動産売却に向けてインスペクションを実施する際の費用相場は、5万円から7万円ほどです。
マンションでは広さによって費用が変わることは基本的にありませんが、一戸建ての場合は延べ床面積によって費用が多少上下することもあります。
費用に含まれている主な項目としては、次のとおりです。
また、通常よりも詳しい調査を依頼する場合には、追加料金が発生します。
天井を外して屋根裏に入る調査や、目視では確認できない床下に入り込んでの調査などです。
これらのオプション調査では、およそ1万5,000円から3万5,000円ほどの追加費用がかかると考えておきましょう。
多くの測量機器を使った複雑な調査を要する場合は、10万円ほどかかる場合もあります。
ただし、インスペクションの費用は依頼する地域や業者によってもさまざまです。
契約を結ぶ前に、かならず見積もりを依頼しましょう。
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インスペクションは、中古不動産の売買取引において、売主と買主双方の安心要素になります。
実施のための費用や時間はかかりますが、スムーズで安全な不動産売却のためにもインスペクションを検討してみてはいかがでしょうか。
軽井沢エリアでインスペクションについてお悩みの方は、ナルロワンまでお気軽にご相談ください。